いつの間にか、本を読む目的が変わっていた

 良い本というのはたくさん考えさせ、感じさせてくれる。

 昔は『レバレッジリーディング』を参考にして、本の重要な部分を抽出してよく復習していた。暗記に近いものであった。

 だけど、最近は読み終わった本の中身を思い出せなくなってしまった。その代わり、その時感じたことや考えたことは鮮明に覚えている。

 これは本を読む目的が変わったことが原因である。昔は知識も何も無かったので、本を読む目的は”勉強”であった。 だから、読書といえば頭に知識を詰め込むようなインプット作業であった。とにかく沢山の量をこなすことにしていたので、年に200冊以上読んでいた。

 しかし、読書の目的は変わり、今は”疑似体験”が目的となっている。著者と同じ状況・立場に立ち、自分だったらどうするかを考えている。本から情報得て、それに対して自分の頭の中のネットワークを広げながら考える。

 インプットもあるが、アウトプットの面も存在する。1つの情報に対して「あーでもない、こーでもない」と考えにふけるので時間が掛かる。今は年に100冊弱ほどしか読めない。

 明らかに読書の質が変わっていることが分かる。

 また、あえて本の内容を覚えないようにしている面もあるのかもしれない。特に情熱・やる気といったものには鮮度がある。時間が経つとその効果を発揮しなくなってしまう。

 だから、衝動を受けた情報についてはなるべく直ぐに行動に移すようにしている。行動に移すことで身体が覚えてくれるから脳で覚える必要がない。

 人間は無限に覚えられるわけではないので、頭の中に入れる情報を厳選・断捨離していく必要がある。ここにおいてもミニマリズムの姿勢が大事。紙に書き出すことで頭の中から情報を追い出す仕事術も存在しているほどである。部屋の整理と頭の中の整理は似ている。

 無意識の内に読書の目的・方法が変わってしまったが、こうやって書き出してみると正しい方向へ向かっているように思える。仕事ができる人の特徴として『1を聞いてい10を知る』と云われているが、その頭の中のメカニズムは正にこれまで示した方法と一緒なのだろう。

 興味があるのは、果たして次のステップはどんな景色なのだろうか。インプット→アウトプットと読書の目的は進化してきたが、一体次の目的は何なのか。

 これでストップなのか。それとも、本からの吸収を止めて自分の中を探り始めるとか?

 これから自分がどんな進化を遂げるのか非常に楽しみである。

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