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2020年12月25日に1級建築士にようやく合格できました。
なんとか1発で合格できましたが本当に大変でした。泣きたくなるくらい勉強しました。
⇒報道発表資料:令和2年一級建築士試験「設計製図の試験」の合格者を決定 – 国土交通省
今回から学生も受験できるようになった為か、総合合格率が直近5年で最も低かったです。
受験者が増えたことによって、今後益々競争が激しくなりそうですね。
そこで私がどのように勉強したのか、どのようなことに気を付けなればいけないのかをまとめました。
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学科
学校選び
おすすめは「合格ロケット」です。とにかく間違えた問題を2度と落とさないことが大切です。
私は某Sという大手学校に通ったのですが、ここが大きなミスでした。
とにかく学費が高すぎます。製図とセットで基本料金は100万円ちょいでしたが、特別講座のオンパレードで総合計は130万円くらいまで増えてしまいました。
「特別講座を受けないと全範囲網羅できません」と言って不安を煽ってきます。せこい商売だなーって思いました。
そもそも、Sの営業に「問題全体の40%は新しい問題」と脅されて学校に通うことになってしまいましたが、結果的には過去問だけで十分だと思いました。。
確かに、過去に出たことない問題も出ますが、皆もできないので差はつきません。
逆に、皆がとれるところで落とさないことが大切です。これを気を付けるだけで90点以上は必ずとれます。
勉強方法
ほぼ全てが暗記問題なので復習をとにかくやることが大切です。
Sに通っている中で、結局、1番記憶に残ったのは「トレイントレーニング」という持ち運び可能な小さな本でした。通勤時間に思い出していくのが記憶の定着に繋がりました。
「あれ、なんだっけなぁ?」と思い出そうとすることを何回も繰り返してください。
新しいことを学ぶことも学習ですが、1度やったことを忘れないようにすることも学習です。つい前者だけに目を向けがちですが。
苦手科目があると「足切り」をくらう可能性があるので、苦手科目はつくらないようにしてください。苦手科目を得意科目でカバーするのは結構面倒臭いので、苦手科目をつくらないことが効率的です。
私は「計画」が大嫌いでした。特に作品集。
「こんなの覚えても糞の役にも立たない」と思いながら嫌々暗記しました(笑)
法規は法令集をあまりひかなくても答えられるようになっておきたいですね。
とにかく時間がありません。これも復習をきちんとやることで十分習得可能です。
勉強時間
勉強時間について、週20時間は最低でもやっておきたいですね。
内容は大学受験ほど難しくありませんが、範囲が広いのでこれくらいはどうしても掛かってしまいます。
自分の脳とひたすらイタチごっこです。さっき学習したことを直ぐに忘れてしまうので気持ちが滅入りますが、これが記憶の過程なんですよね。
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製図
学校選び
学校選びのポイントは、先生が合格基準をわかっていることです。
逆に言うと、何を描かなくてもよいかがわかっていることです。
製図試験はとにかく時間がありません。問題文を読んで、エスキスを描いて、中間チェックをして、記述を書いて、図面を描いて、最終チェックをしなければいけません。
余計なことを描いている時間は1秒も無いんです。
そういう点を考慮すると「ウラ指導」がおすすめです。
通信ですが、毎年、ランクⅠ~Ⅳの図面やアンケートを基に分析を行っています。「合格するための製図技術」を教えてくれます。
その点、Sは全然ダメでしたね。先生の大半が、何が合格に影響するのかを全くわかっていませんでした。
私はハズレの先生に当たってしまったので物凄く苦労しました。途中から無視していましたけど(笑)
よく言われるのが「綺麗な図面を描きなさい」という指導です。
分析をすればわかりますが、綺麗かどうかなんて合格に関係ありません。字が読めないのはいけませんが。
「防火区画の〇をテンプレートを使って描きなさい」と言う訳のわからない先生もいました。
あんな〇が曲がって描かれたところで合格には何の影響もありません。フリーハンドで十分。
外構について「何も書かれてなければアスファルトとみなされるから目地を描きなさい」と言われましたが、外構がアスファルトで何が問題なのでしょうか。
「そんな物件腐るほどありますよ」と言い返すと黙る始末でした。秒で言い返される理論を振りかざすなんて愚の骨頂です。少し考えればわかりますよね。
あとは植栽。バカみたいに植栽を綺麗に描くことを要求してきました。あんなもの「植栽」と分かればなんだっていいです。
時間が余れば描いてもいいけど、当然メインではありません。それならチェックに時間をかけた方が合格に繋がります。
今思い返してもイライラしてきます。
自分の経験だけで教えようとするのがいけないんです。ちゃんと統計をとらないと。
信じられないかもしれませんが、学校でランクⅠの図面を見せてもらったことがありませんでした。ランクⅠを目指す試験なのにそれを見せないなんておかしすぎます。
ハンバーグの作り方を知らないのにハンバーグを作っているようなものです。どうやってハンバーグとメンチカツを見分けるのか。
この記事を読んでいる皆さんには余計な苦労はして欲しくないと思っています。
勉強方法
上にも書きましたが、ランクⅠ~Ⅳの図面を分析すること、あとは過去の標準回答例の分析は先にやっておいた方がいいです。
当然、過去に表現されているものであれば使って構いません。むしろダメだったら大問題になります。採点側も問題にならないようにきちんとした基準で採点をしています。
まさに「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」です。
これらのメリットは「不必要なことに時間をかけないこと」にあります。
試験時間も短いですが、そもそも勉強期間も異様に短いです。学科の合格が発表されてから3か月ほどしかありません。
本当に必要な情報を取捨選択できる能力を備えなくてはいけません。
合格してわかったことは、ネットにある情報がこれほどまでに価値のあるものだということです。めちゃめちゃ価値のある情報が無料で手に入る時代なんて恵まれています。
私が参考にしたのは以下の動画です。
あとは、粛々と先生の言う通りに従うことです。正しい先生の元に就けばちゃんと合格できます。
勉強時間
週に最低でも30時間(学校は除く)は確保しないと合格は相当厳しいと思います。
私の場合、仕事が終わったらすぐに夕飯を食べて19時~23時まで会社の会議室を借りて毎日やっていました。土曜日は朝から晩まで10時間やって、日曜日は8:30~22:00まで学校でした。
学校を除けば週に35時間勉強していました。
製図は1つの技術なので、とにかく何回も何回も練習して早く描くコツをつかまなくてはいけません。
私が感じた1番のポイントは、学科合格が発表された月(私の場合は7月)にトレースを5枚描きあげることです。ここでかなり大きな差が生まれます。
最初は1枚を描きあげるのに物凄い時間がかかります。私は7時間半かかりました。
つまり、トレースを5枚描くのって「それなりに早くなってきている」ということなんです。それなりに早くなるためには描き方の順序や表現方法を覚えていないと実現できません。
製図は”慣れ”なので、なるべく早く描き方を体で覚えてしまうに越したことはありません。
ここで生じた差はこのまま試験日まで埋まることはないでしょう。この月以降は皆も描き始めるので差がつきにくくなってくるからです。
私は2枚しか描けなかったので、5枚描いた人と相当な差が生まれてしまったし、結局その差を埋めることはできませんでした。
図面を早く描く技術は大きなメリットがあります。チェック時間は増えますし、エスキスにも時間を割くことができます。
精神衛生上にも大変良いです。
ほとんどの人が8月末くらいまで試験時間内に1枚描き終わることができません。
すると「自分はなんてダメなんだ」と気が滅入ってきます。ここで心が折れる人も数%います。私もめちゃめちゃ泣きたくなりました。
なので、やればできるようになることはなるべく早くやっておくことです。
最後に
1級建築士試験の1番の難点は自分を律することができるかどうかです。
学科・製図も合わせると約1年という超長丁場に耐えなければいけません。
脱落する人を何十人も見てきました。想像以上にきついです。
統計をみると学科・製図を一発で合格できる人は1割ほどしかいません。10人に1人しか1発で合格できない世界。私の周りでも2年目でとっている人が多数です。
だからこそ、1発で合格すると「あいつはできるやつ」と太鼓判を押してもらえるようになります。今後、自分が発する言葉に信憑性が生まれるのです。先輩方も頑張って合格してきたからこそ1発合格の難しさを知っているのです。
1発合格は信頼においてもコスパにおいてもメリットがあるので、どうか皆さんにも幸がありますように。